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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第6章  【四】
「ここは随分と寒うござりますな。お風邪など召されては一大事。もちっと大きな火鉢を用意させましょう」
 玄馬が大仰に肩を竦めて見せるのに、嘉宣は笑った。
「俺は罪人だぞ。科人が風邪を引こうが、どうなろうが、たいしたことではなかろうに」
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