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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第7章 【終章】
―何故、何故だ。何ゆえ、嘘をついた?
 やはり、橘乃は、既にこの世の者ではなかったのだ。
 俺は、たった一人であいつを、橘乃を逝かせたのか?
 その死を知っていたなら、せめて経の一つでも読んでやったものを。野辺の送りにはゆけずとも、線香の一つくらい立ててやれたものを。
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