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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第7章 【終章】
 通常、藩主の妻妾は歴代藩主の永眠(ねむ)るこの英泉寺の墓地に葬られるのが習いである。殊に、橘乃は嘉宣の第一子となるべき子をその身に宿していたのだ。
―さりながら、殿。橘乃どのは大罪人にござりますぞ。
 そう言った玄馬の首を玄馬は締め上げた。
―橘乃は罪人などではないッ。あれは、母上を殺せと命じたのは、この俺だ! あの女には何の拘わり合いもなかったのだぞ。
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