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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第3章 【壱】
「正直申せば、私は殿をお一人にして嫁ぐのが不安なのです。殿は昔から人一倍淋しがりやでいらしたのですもの。されど、嫁がぬ姉がいつまでも厄介になっているのもまた、殿にはお気の毒というものと覚悟を定めました。殿、殿も一日も早うご正室をお迎えになられ、お世継を儲けなされませ」
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