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妖婦と呼ばれた女~哀しき恋歌~
第3章 【壱】
「厄介などと、そのようなこと、ゆめ仰せになられますな。私はいついつまでも姉上に傍にいて頂きたい。さりながら、そのような私の子どもじみた我がままのために姉上の大切な一生を台なしにすることはできぬと、私の方こそ覚悟を決めて姉上をお見送りすることにしたのです」
 嘉宣が言うと、輝姫は人さし指で涙をぬぐった。
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