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第29章 背中

気持ちがみるみる曇っていく。


「ごめん、昼から約束あってさ」


曖昧な言い方が不安と苛立ちを呼ぶ。


「約束ってなに？」


「ああ、ドラマーと打ち合わせとスタジオ」


「ホントにソロでやるんだ」


「うん...で夜はまたバイトで...」


お弁当はいらないとハッキリ言わず、いい訳をする所が更に勘に触る。