この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夢見桜~ゆめみざくら~
第3章 夜の哀しみ
その翌日の夜。
 吟は、常のように一馬と臥所を共にした。声を上げまい、髪の毛ひとすじほども乱すまいと唇を噛みしめる吟を、一馬を丹念な愛撫によってやわらかく変貌させてゆく。熱い唇と吐息によって、雪のような肌はうっすらと上気し、吟は思わず洩れそうになる声を懸命に呑み込んだ。
 そんな吟の悲愴な覚悟に挑むかのように、一馬は吟がほんの少しでも反応を示せば、更に同じ場所を深く責め立ててゆく。
「お吟」
 名を呼ばれ、吟は無意識の中に固く閉じていた眼を開いた。一馬の腕の中で苦痛と快楽の間に追い込まれ、うっすらと潤んだ眼差しを向けると、一馬はそっと手を伸ばし吟の頬を包み込む。
「何故であろう、そちが愛しうてたまらぬ」
 一馬は感に堪えかねるように言った。
 一馬の指が吟の中で蠢く。刹那、吟の噛みしめた唇から甘い吐息が洩れた。
 普段から紅い唇がしっとりと艶を帯び、濡れたように光る。その唇がうっすらと開いた。
「あ―、あ」
 思わずあえかな声が落ちる。
 わずかに乱れた前髪が額から白い頬にはらりとかかり、かすかに開いたつややかな唇から荒い吐息が洩れた。
 それは、これまでの吟からは考えられもしないような妖艶さであった。まるで男を誘うかのように、半開きになった紅い唇からかすかな声が洩れる。
「吟―!」
 一馬がたまりかねたように、吟を引き寄せた。花は刺し貫かれ、悦びの声を上げる。
 それから後のことを、吟は覚えてはいない。ただ、一馬に幾度も抱かれ、自身も我を忘れるほどに乱れたのだけは判った。最後に意識を失う前、一馬が陶然と吟を見ていたのも記憶に残っていた。
/45ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ