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私の逆ハー性活
第10章 その後の逆ハー性活
***
運転席に乗り込みながら皐月が花束を後部座席へ置くと、璃子も緊張しつつ助手席へ座った。
……これで皐月さんと出掛けるのは二回目だ。
あの時はまだ『翔さん』だったけど。
こうして実際二人で車に乗っていてもあまり違和感はなく、皐月さんに対して抵抗する感情もわかない。
というか寧ろ、側にいればいる程好きという感情がどんどん込み上げてくる……。
「皐月さん……何処に行くんですか?」
皐月の横顔に見惚れながらそう質問する。
すると皐月が穏やかに微笑み、璃子の方へ視線を向ける。
「不動産屋を見に行こうと思って」
「不動産屋……?」
「璃子ちゃんと同棲する部屋を早く見つけないとね? 二人と一緒に住んでたら、気がきじゃないし」
そう言ってエンジンを掛ける皐月。
その表情はいつの間にか真顔に戻っていた。
「気がきじゃないって、どうして……」
不思議になり、また尋ねると。
そんな璃子に皐月は不安を零すように呟く。
「俺もね、自分に自信があるわけじゃないんだ。いつ璃子ちゃんが心変わりするか不安なんだよ? ……俺だけ、結婚の約束してないしさ……」
「子供の頃にした約束の事を気にしてるんですか?」
「約束というか……璃子ちゃんと二人の絆かな? 二人は璃子ちゃんと幼馴染だけど、俺は全然子供の頃関わった事なかったし……」
だから……と続け、皐月は左手を璃子の右手と繋ぐと、可愛らしくニコニコした。
「これからは約束事も沢山しようね?」
右手から伝わる皐月の体温が暖かく、璃子は心が和らいだような気持ちになる。
……皐月さんと出会えて、好きになって良かった。
「はい……」
璃子は照れながら頷くと、皐月の左手を握り返した。