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貸出奴隷 裕美子
第2章 洗礼
達也様は、お屋敷の建物の角を曲ったところまで歩いて行かれました。重たいバケツを咥えての四つん這いでは、とても同じ速さで歩くことはできません。遅れまいと必死についていったのですが、達也様をずいぶんお待たせしてしまいました。
「バケツをそこに置け」
ようやく追いついて言われた通りにしました。
「た、達也様・・お待たせして申し訳ありません」
切れる息の中でようやくそう言いました。
「お前の臭い服と下着を燃やせ。そこに灯油がある」
「え・・」
「さっさとしろ。主に命令を2度も言わせてはいけない。その程度のことは祐二に躾けられているのだろう」
「は、はぃ・・・達也様。申し訳ありません。服を燃やします」
四つん這いの姿勢のまま、バケツの服に灯油をかけ、火をつけました。さっきまで身に着けていた服や下着が炎に包まれるのを見て、裕美子は達也様の元にいる間は、服も下着も身に着けることはないのだと思いました。きっと達也様は、それを私にわからせるために、私自身の手で火をつけさせたのでしょう。私の覚悟を確かなものとするために。