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甘くてやさしいキスをして
第9章 最低最悪な目覚め
「あの……えっと……」

私の頭はもうハッキリ覚醒していて、聞きたいことは沢山あるのに、あまりの衝撃で言葉が出てこない。

そんな私の頭の中を見透かしたように、彼は答えた。

「お前、酔いつぶれて、家が同じ方向だから一緒にタクシーに乗ったんだけど、

詳しい住所までは知らないから、住所言えっつったのに、

完っ全に熟睡してて、仕方ないから俺の家に連れてきたの。

で、今まで俺のベッドで熟睡してたんですよ、オジョーサン」

最後は茶化すように私をお嬢さんと呼び、彼は意地悪な笑みを浮かべた。
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