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第1章 ゼンギは人混みの中から

だがそこからまだ先を麻由美は用意していた。

触れ合うこと何度目か、海老原の人差し指と中指を自らの手の中に収めると、麻由美はあたかもそれをぺニスのように扱ってきたのだ。

そう、しごいてきたのだ。

それも単純に前後に動かすだけではなくハンドスピードに変化をつけたリ、捻りを加えてきたりと艶とりどりの変化をかけてくる。

さすがは円熟した女は男心を心得ていてこの本性を的確にくすぐり射抜いてくる。

キュッ、キュッと握ってくる手の力加減を変えられると、あたかも膣の中に挿入しているように感じられるし、何より一番感じてしまうのは二本の指先を親指を使ってクリクリと擦られるとまんま亀頭を撫でられている感じがするのだ。

擬似の手淫だけでこのテクニック、ホンモノへの手コキ、ましてやフェラチオとなったらいったいどうなるんだとそんな思いを禁じえない。

どうにか勃起しそうなのを我慢しながら、やられているだけでは悔しいからと海老原も麻由美の手の中で、女性器の中を指で刺激するようにコチョコチョ、プルプルと手マンの要領で動かすと「あん」と麻由美が色っぽい声を漏らして手を離した。