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第1章 ゼンギは人混みの中から

年齢が４２歳とはいえ、今時のアラフォーよろしく麻由美も見た目が若くて十分に女として通用する。

しかも世間的に言えば美系でそこに年齢を重ねている分だけ色気が溢れ出ている。

キャメルブラウンに染めたセミロングの髪はウエーブがかかっていて、子供の頃にテレビで見ていたアイドル歌手のようだ。

卵を逆さにした輪郭に目も鼻も別段の特徴はないが、ポッテリとした厚い唇には見るたびに触れてみたい、キスをしたいという衝動に駆り立てられる。

その小顔を支える細い首からつながる肢体は細くはないが太くもない。

ただ推定Ｅカップはありそうな豊かな胸の張りが、着ているベージュ色のサマーニットに強調されていてどうしても目がそこにいってしまう。

それは何も海老原に限ったことではなくて、この会場に来ている男達は老いも若きもその誰もが麻由美とすれ違えばおのずとその女性の象徴を目で追っていた。

顔そして胸とここまでは女としての魅力を遺憾なく発揮している麻由美なのだが、ウエストは本人の緩い性格を象徴するかのようにクビレがあいまいになっていて、ポコッと下っ腹が出ているのがなんとも残念な見た目をしている。