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脱出小説
第8章 1
安戸の言葉に従って、皆で部屋のスミに集まる。
そこで初めてプランが明かされた。
「いやよ! 冗談じゃないわ!」
「なっ……そんなことで……」
私、そして泰人が口々に抗う。
「信じてもらえませんか」
「馬鹿言わないで!」
「浦沢君、キミならテレパシーでわかるはずだ。私が嘘を言っていないことが」
言われて泰人が黙る。
能力で安戸の心を読んでいるのだ。
「やめて! イヤッ! やめて……やめて! 泰人、そんなの確めないで!」
「純……」
私に向き直った泰人の目が座っていた。
「イヤッ……!」
逃げ出そうとした私を二人の男が捕まえて壁に押し付ける。
「やめてええええええっ!」
「心を落ち着かせて……」
安戸。
私にではなく泰人にそう命じる。
「思い出せさてあげるのです」
「あ……あ、ああ……」
私を壁に押し付けたまま、泰人が私へと思念を送り込んでくる。
心が……心が……強制的に彼の思うがままにされてゆく。
嫌なのに……嫌なのに……い……や……
そうだ。
全部、私がそう思い込んでいただけだった。