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脱出小説
第4章 10
私たちは超能力者だ。
それぞれが違う能力を持っている。
浦沢泰人:テレパシスト(思念を操り、他人の思考を読み取る)
大矢 純:テレポーター(どこへでも瞬間移動できる)
安戸彼方:タイムリッパー(時間を断裂させることができる)
そして施設の実験材料でもあった。
もちろん、人間的な扱いは受けていたが自由はなかった。
ここは軍事目的に超能力を研究する機関の秘密の地下施設。
私たちのような能力者の他にも、色々なサイキックの実験が行われていた。
超能力を持つ機械なんてものまで開発されていた。
そして今日、その中でも一番強力だったコンピュータが狂ったのだ。
テレキネシス。念動力。
思っただけで物体を自在に動かす能力。
コンピュータに与えられていたその力が暴走した。
職員たちは皆殺しとなり、セキュリティを乗っ取られて施設は封鎖。
時限自爆装置まで作動。
暴走し、周囲に破壊を撒き散らすテレキネシスは増々激しくなっており……このままでは1時間後には地球を粉々にしてしまうことが予測された。
泰人のテレパシーでいち早く危険を察知し、私の能力でこのテレキネシス遮断ルームに逃げ込むことができた私たち3人だけが生き延びた。
事態を把握した安戸が、その能力を使ってなんとか今、作動していた時限爆弾を止めて帰って来た所だった。
でも、まだサイコキネシスを止めた訳ではない。
このままでは……。