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ふにゃふにゃ
第2章 ライバル出現?
薄暗い化学準備室に、男が四人机を囲みボソボソと話し込んでいる。
あーでもない、こーでもないと答えなど到底出そうにもない話し合いが、延々と続けられていた。
そこへ、勢い良くドアが
開けられる。
「牧 慎太郎はいるか?!」
「……比留間か。アイツはメンバーじゃない。いるわけないだろ。今頃はたぶん……あーっ!クソッタレ!」
頭をぐしゃぐしゃと掻きむしりながら、悔しがるのは世那が大好きな同好会のメンバー達。
部室などあるわけが無いので、その日空いている教室を借りて活動をしている。
「ふん!こんな所でうじうじしているから、駄目なんだ」
「そんな比留間だって、駄目だったんだろ…俺達と変わんねぇよ」
嫌味を遠慮なく言うのは
比留間 澄【ヒルマ スミ】。
一瞬、男子かと思わせる風貌をしているが、女子の制服を着ている。
短い髪、乱暴な言葉遣い、やることが男子っぽい澄は、今時の草食男子に飽きた女子達に『本当の男より男らしい美少年』として人気者だ。
「じゃあ、世那はやっぱり牧と一緒にいるんだな」
「聞かなくても、分かるだろ。お前が居ない間に、しっかりとくっついたんだ。当然だろ」
「くそっ!」
澄は踵を返しその場を
離れた。
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