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ふにゃふにゃ
第2章 ライバル出現?
澄は、3日前まで足を骨折して入院していた。
乱暴な性格が災いして、階段から派手に転落。
自宅療養でも良かったが親に『絶対に大人しくしているわけがないので、入院させて下さい』と頼み入院させられたのだ。
リハビリ代わりに丁度いい、と世那を探し学校内を走り回る。
「本当なら…私との時間だったんだ!」
眉根を寄せ、苦渋に満ちた顔を見せる、澄。
自分が居ない間に、とんでもない事態になっていたことを悔やんだ。
階段を上がりきり、屋上の扉を開ける。全身に風を浴び急に差し込む光に一瞬目が眩んだ。
見渡せる範囲内に人はいない。
長い足を細やかに動かし、建物の裏側に廻る。
「っ!?」
ピタリと足を止め、目に飛び込んで来た物に息を詰まらせた。
「なんだ…これはっ!」
澄の目の前には、慎太郎に抱き抱えられ胸に顔を埋めながら眠る、世那だ。
慎太郎も眠っているので、澄がいることに気付いていない。
「世那っ!!」
世那のか細い肩を掴み、力を込めて引っ張った。
「きゃあっ!し、慎太郎さんっ」
世那の悲鳴に目を開けた慎太郎は、凄い形相で世那を掴む者に驚き、その腕を取り捻った。
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