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ふにゃふにゃ
第1章 始まり
「なんだぁテメェ!睨んでんじゃねーぞ、ごらぁ!!」
ただ、ただ道を歩いていただけなのに、血気盛んな少年を怒らせてしまった。
牧 慎太郎【マキ シンタロウ】は超強面。本人にその意志が無くとも不良や、チンピラなどを刺激してしまう。
慎太郎は襟首を捕まれ、殴られそうになるが、それを軽く受け流す。
空振りしてバランスを崩している間に、足払いをして相手を転ばした。
「睨んでないし、ケンカも売ってない。勝手に盛り上がんな」
転んだまま、あっけにとられた男は既に戦意は喪失していて次の攻撃は無いようだ。
慎太郎は溜め息を吐きながら我が母校、鳳学園高等部に向かった。
生まれながら超強面、可愛いなどと言われた事はなく、災難な日々をずっと送ってきている。
今のように、ケンカを吹っ掛けられるのは日常茶飯事。そのせいで、ケンカは当然のように強くなった。
顔のパーツの説明などしなくても分かるだろう、つり眉、つり目は当然だ。
髪は染めると、王道まっしぐらなので黒髪。少しでも強面の原因が隠れるようにと、前髪は長めにしてある。
いつものように、なるべく因縁をつけられないように、俯いて歩く。
だからだったのか
慎太郎は、えらいものを
蹴飛ばしてしまう。
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