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水蜜桃の願い
第3章 記憶の中の彼女
「……俺と、どうしたいの」
それでも、どこまでも彼女に言わせようとする俺の狡さ。
「したい、って言ったら……してくれるの……?」
濁した言葉さえ許さずに、何を──と答えれば
「……セックス……」
その直接的な言葉を口にしてしまった恥ずかしさからか、顔を赤くし、俯いて震える息を吐く彼女。
──セックス、だなんて。
そんなの知らない、とでも言いそうな顔をしてるのに。
「そんなこと口にする子だったんだ」
いじめたくなる。
もっと恥ずかしがらせたくなる。
そんなふうに、なぜか刺激されっぱなしの感情。
今まで抱いた相手にこんな気持ちになったことなんてなかったのに。
さらに赤くなる彼女の頬。
俯いているその顔は、たぶん、泣きそうになっている。
それを可愛いと思ってしまった自分の気持ちが自分でもわからない。
説明のつかないそんな感情には蓋をして、また、彼女に問いかけた。