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水蜜桃の願い
第3章 記憶の中の彼女
「先生……はやく、っ……」
そんな顔をして、そんな言葉を口にし、俺に差し出してくる両手。
ゆっくりと近づいた。
確信犯なのかそうでないのか、子供のような仕草で大人の行為をねだる彼女。
何も知らないとでもいうような顔で、この身体を愛してほしいと、俺に。
「……悪い子だよね、ほんと」
数十分前にここに来たときはこんな展開になるなんて思ってもいなかった。
親がいないと聞いたときも、俺にその気はない以上何も問題は起きないという自信さえあった。
それなのに。
今──俺は彼女を抱こうとしている。
そうさせたのは、彼女。
──じゃあ、彼女をそうまでさせたのは?
何だか自分がうまく動かされているような気さえした。
けれどそんなこと認めるわけにはいかない。
「さっき何してたの?」
だから俺は、彼女が答えなかったあのときの問いをまた、口にする。
「下着あんなに汚して。
……何かしてたんじゃないの?」
ゆるゆると首を振って否定するその動きさえ、俺を煽っているかのようだった。
「……嘘つき」
もう全部わかってる──そう囁けば、さらに色を帯びた目。
半開きの唇の隙間から覗く赤い舌に、俺ももうその身体にふれずにはいられなくなった。