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水蜜桃の願い
第3章 記憶の中の彼女
少しだけ身体を離し、彼女を見つめる。
せんせ……と、微かなそれは俺を求める声。
熱っぽく潤んだ、その欲情している彼女の目に映る俺も、欲情しているように見えるんだろうか。
彼女を抱くことにもう躊躇いはなかった。
念のため経験の有無を問えば、あるとの返事。
彼女の様子を見ればそれに驚きなどしなかったけれど、避妊具を持っていないことを告げれば、チェストを指差された。
彼女から離れ、その場所を探れば見つかった、開封済みの箱。
子供だとばかり思っていた生徒の、その意外な面を裏付けるもの。
「いつもここで?」
俺の問いに、躊躇いながらも頷く。
……この、俺が毎週やってきて勉強を教えているこの部屋に、平日は彼氏を連れ込んでセックスをしていた彼女。
あどけないその顔で、どんなふうに男を。
「……真面目な子だと思ってたのにな」
ぽつりと呟けば、また泣きそうな顔で俺を見る。
ぞくりと背中を駆け抜けた何か。
思わず口元が歪んだ。