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水蜜桃の願い
第3章 記憶の中の彼女
舌先で唇をノックすると、どこか甘い味がした。
彼女はすぐに察して唇を開き、俺はその開かれた隙間から舌を差し入れた。唇の内側を舐めながらゆっくりと。
俺の腕にしがみつくようにしているその手に力が入っていくのがわかる。
上顎を舌先でくすぐるようにしたとき、その力はさらに強まった。
奥に引っ込んでいた舌。
見つけられて少し引き気味になったその頭の後ろに手を回し、ぐい、と自分の方に引き寄せた。
同時に深く、舌を絡ませる。
たどたどしかった応え方は次第に積極的になってきて。俺が動きを止めれば自分から絡ませてくるようにまでなっていく。
頭から手を離し、再び胸の膨らみにふれた。
大きく揺らしながら。
小刻みに揺すりながら──そうやって、柔らかさを楽しむ。
唇を静かに離し、目を閉じたままの彼女を見つめる。
もう一度、ふれるだけのそれをそこに落とすと、ゆっくりと目を開けた。
また、口づける。そうやって何度も。
不意に、だった。
先生……キス上手、と彼女が呟いたのは。
うっとりと幸せな夢でも見ているかのような表情で。