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水蜜桃の願い
第1章 先生と彼女
――あ。
私の目が、その人を見つけた。
え、嘘――――……。
間違いない、と思うのに、でもなんだか信じられないような気もした。
だってこんなところで、こんなふうに会うなんて。
どうしよう――――!
どきどきと鳴り始めた心臓。
私にはまったく気づいていないその人の、少しうつむき加減の横顔を数メートル離れた位置からそっと見つめる。
手に取った雑誌に視線をやり、少しぱらぱらとページをめくる、その、きれいな指の動き。
ああ、やっぱりかっこいい――――。
頬が熱くなってくるのがわかる。
胸の高鳴りと連動するかのように。