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水蜜桃の願い
第1章  先生と彼女


仕事の休日に、高校からの友人の舞子を誘い、やって来たショッピングモール。

そこで偶然その姿を見つけた、私が通っている英会話教室の講師。
外国人の先生より日本人の先生がいいと希望した私の担当となった、片桐、という名のその人――。


……一目惚れ、だったと思う。

これからよろしく、と――爽やかな笑顔で挨拶されたときには、たぶん、もう、恋におちていた。
何しろその外見も、声も、まるで私の好みのタイプだったのだ。

先生と、生徒2人という、少人数レッスンから始まったそれ。
けれどもうひとりの生徒が途中で急に退会したとき、このままマンツーマンの指導でいくか、もうひとり生徒を入れる形がいいか再度希望を聞かれた私は迷わずマンツーマンを選択した。
レッスン料は高くなったけれど、そんなことは問題じゃなかった。

週に一度のレッスンは先生とふたりきりの時間。
向かい合う先生の視線が私だけに注がれる――そんなとても幸せな、時間。

同年代の男の人にはない、落ち着き。
明るくありながらも、どこか感じるその余裕のある大人な振る舞いに、ますます私は惹かれていった。
会うたびに募っていった、気持ち。
ふたりきりのレッスンはどうしようもなく緊張するのに、その緊張さえもう、嬉しかった。


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