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水蜜桃の願い
第4章 動き出した刻
まあ……だろうな。
突然こんなの送られても、意味わかんねーよな。
自分のやってることの意味が自分でもわからない。
何がしたいんだいったい俺は──そんな自分に対する苛立ちまで募ってくる。
立ち上がり、冷蔵庫から缶ビールを取り出して一気に飲んだ。
彼女と会っていたさっきは酔わないでいようと思っていた。
けれど今はむしろ酔いつぶれてしまいたい気分だった。
頭の中のいろんな感情。
それを思えば思うほど、苦しくなる。
──もう何も考えたくない。
そう思うのに、飲んでもなぜか全然酔えなくて。
感情はやがて渦となり、俺の頭の中をぐるぐると掻き回す。
なぜ彼女はここに来ない。
俺を好きなんじゃないのか?
今まで俺に見せてきたあの表情、口にされた言葉──俺を好きだからこそのそれらじゃなかったのか?
唇をぎりっと噛んだ。
……全部俺の勘違いだったのか?
深く吐いた溜め息。
そうであってほしいという、俺の気持ちが彼女をそういうふうに見ていただけなのか────?