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水蜜桃の願い
第4章 動き出した刻
数日後、俺はまた彼女をホテルに呼び出した。
呼び鈴が鳴り、開けたドアの向こうに姿を見せた彼女の腕を取り、室内に引きずり込む。
そのまま、ベッドに引き倒した。
「待っ────」
戸惑った様子の彼女の両手をベッドに縫い止めるように押さえ、首筋に這わせた舌。
躊躇いの言葉は跳ね上がって途切れ、余韻を残して消えていった。
そのまま耳たぶに舌を這わせると、途端に甘ったるい息を代わりに漏らし始める。
「……っや、あ……ん……」
手を離し、指先でもう片方の耳をそっとなぞる。
自由になった彼女の手は俺の背中へと回された。
「……ん、せんせ……っ……」
ぴくっと時折震わせる身体からは、抵抗をもはや感じない。
そのまま耳元で、脱いで、と囁く。
「……待って……」
再びの微かな抵抗の言葉を聞かず、早く、と促した。
「ね、先生……話が……」
「後で聞く」
彼女の言いたいことはわかってる。
身体だけの関係にはなりたくないと、おそらくそういうことだろう。