この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
水蜜桃の願い
第4章 動き出した刻
彼女とそうなったあのとき、10年前のことを口にした俺に「もうあんな想いはしたくない」と答えていた彼女を思い出して、一度だけのその関係は、それを願った彼女にとって苦しいものでもあったのだと気づいた。
なら──そういう関係を続ければ、彼女はきっと……そう、きっと俺から離れていくに違いないと、あの後、考えた末のその結論のままに俺は今、行動していた。
「っ、でも」
まだ続ける抵抗の言葉を無視し、彼女の服の胸元を開く。
阻止するように俺の手を掴んできたものの、その力は弱い。
「待てない」
そう呟きながら、あらわにした胸。
そのまま唇を膨らみに落とす。
あ、と彼女の吐息が揺れた。
執拗に、舌先で、指先で、乳首を舐め、撫で回す。
身体は素直に、反応していった。
尖らせている乳首を甘噛みすれば、一際甘く上がる声。
それは圧し殺したものでありながらも艶を纏い、俺を昂らせていく一方で。
……今や、彼女の何もかもが俺を煽り、乱すものとなっていることをあらためて自覚させられながら、二度目……いや、三度目のその時間は過ぎていった。