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水蜜桃の願い
第5章 甘やかな願い
「透子ちゃんも合意の上での関係だと思ってたけど。
嫌だったなら何で拒否しなかったの」
相手に責任をなすりつける卑怯な人間の言葉に、彼女は俯き、やはり黙ったままでいる。
「ねえ」
それを許さずに、彼女を呼んだ。
躊躇いがちに合わせてきた視線を受け止め、真っ直ぐに見つめ返す。
「してないよね?」
そうやって、確認した。
「一度も」
念を押すように、何度も。
「……初めてホテルで会ったとき、透子ちゃんもそのつもりなんだと思ったよ。
だからこんなところまで来たんだろうって」
「あれは……!」
それまで黙って俺の話を聞いていた彼女が、唐突に声をあげた。
訂正したいのか。反論するつもりなのか……言葉は、紡がれ続ける。
「先生が私に会いたがってくれてるんだって思ったから。何か話があるから呼び出したんだろう、って」
ごくり、とその白い喉が動いた。
「……確かに、そうなるかもしれないって思ったよ。
でもそうなったとしてもちゃんと先生と想いを通じ合わせてから、って……」
ぐっ、と噛む唇。