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水蜜桃の願い
第5章  甘やかな願い


「……じゃあ、忍先生って呼ぼっか?」


いたずらっ子のように笑いながらそんな言葉を伝えてくる彼女が可愛くて、仕方なくて、たまらずそっと口づけた。
柔らかな、唇。
一度でなんて終われるわけもなく、何度もそうした。
ん……と、離れるたびに鼻を甘く鳴らし、また、ねだる。


透子────……。


俺も、同じように彼女の名を口にした。
想いを言葉にしたくてどうしようもなくて、好きだよ、と続ける。
戸惑うような彼女の反応に気づかない振りをして、何度も、それだけを告げる。
頬に、目蓋に──首筋に。
唇を落としながら、そのすべてに、好きだと刻み込む。
そうせずにいられなかった。
それほどまでに、想いは溢れていた。
自分でも、驚くほどに。


耳元に舌をを這わせたとき、その身体がびくんと震えた。
首をすくめて反射的に逃げようとする肩を押さえつけ、彼女の名前を呼びながら何度もそこを愛撫した。
吐息に色が混ざり始め、その色に俺もまた、煽られていく。
ぞくぞくと、身体を襲い始める疼き。
さっきあんなに抱いたのに、心も身体もまだ、この子をこんなにも求めていた。


「ふ……っう、んっ」


や……と、力なく首を振られ


「……せんせ、っ……も、お……」


深く息を吐かれ──それでも、自分でもどうすることもできないほどに、欲しい気持ちは止まらなかった。


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