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レンアイ×トライアングル
第10章 彼の願い × 彼の思い
side 鳴海侑

店に入って来たその人は、俺を見て一瞬驚いた顔をした。

「一度だけこの店でお会いしたことがあるんですけど……鳴海侑と言います」

俺は頭を下げた。

「今日はあなたに会いに来たんです」

と告げると、

彼……鈴木さんの瞳が僅かに揺れた。

2人でカウンターの席に座ると、瀬戸さんが鈴木さんの前にビールを置いた。

「鳴海くんは?同じものでいい?」

俺の前に置いてあった空のグラスを下げながら瀬戸さんは言った。

しばらくして、新しいグラスが置かれ、瀬戸さんがその場を離れようとした時…

「あの、瀬戸さんも話を聞いてもらえませんか?」

と彼を引き留めた。

瀬戸さんは少し戸惑った顔をしたが、

「………わかった」

と言って軽く微笑んだ。
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