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最後の一色
第2章 男が求めるのは

「裸のモデルですから・・これくらいお支払しないとなかなか引き受けてもらえないかと。
それでもちょっと高すぎるかもしれない。
でも毎日必ず来てもらう、時間的拘束もあるのでこの金額にしました」
そこまで話した田原と目を合わす。
なんとも穏やかな眼差しだった。
「理由はまだあるんです。
実はこの作品は絵画展に出品するものなんですが・・
これを最後にしようと思っているんです。だから
今あるすべてのものを注ぎ込みたいんです。
自分のイメージに合ったモデルを徹底的に探し、引き受けてもらうためには
高額なモデル料もいとわない・・」
田原の目つきは次第にきつくなっていった。
ものすごく強い意志、するどく光り輝いている。
美紗緒はその視線に縛られているようにさえ感じた。
その苦しい縛りから逃れようと、絞り出すように声を出した。
「お話は分かりましたが・・なぜ私に?」

