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最後の一色
第17章 25日目は夜まで・・
25日目の美紗緒の緊張は、顔を合わせた瞬間に涼輔にも伝わった。
それが毎日彼女に触れることからきているのかはわからなかったが、
なにかソワソワしたところがある、と気がついたのだ。
「なにかあったの?悪い事じゃなさそうだけど?」
キッチンで食材を冷蔵庫にしまっている後姿に声をかけると、
美紗緒は振り返って恥ずかしそうに笑った。
「あの・・お願いがあるの」
「うん、なに?」
「今夜のお夕飯・・一緒に食べてもいいかしら?」
想像からかけ離れた言葉に目を丸くして口まで開けた涼輔は、美紗緒の顔を見返した。
「え?僕はいいけど・・いいの?お家でご主人、待ってるんじゃないの?」
「いえ・・今日から1泊でゴルフなの、仕事仲間と。だから今夜は私一人なの。
お夕飯、一人分作るのが面倒で。だったらここで涼輔さんと2人分作って
一緒にいただいた方がいいなって思って」