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最後の一色
第17章 25日目は夜まで・・
次の日から2人は、絵を描く前にしっかりと抱きしめ合い、
息がとまるほど激しく唇を重ねた。
美紗緒の肌を涼輔の指がなぞると、甘いため息をついた裸婦は眼の色を変えた。
ポーズをとりながら見返してくる女の瞳に、男は大きく反応した。
硬くなり、はちきれそうな状況をその形で示した。
美紗緒からはよく見えない。
涼輔の体が欲情によって変化している様子は見えないのだが、
時々キャンバスの向こうからのぞかせる眼が、その異変を告げているのはわかった。
終わった後に涼輔の胸に抱かれると、
彼の中心の硬いものが柔らかな腹部に感じられる。
そして自身の中心も、湧き出るような愛の蜜で湿っている。
・・もう一日、あと一日、そうすれば・・
指折り数えるかのようにその日を待つ。
だがそれはイコール終わりの日。
永遠の別れというわけではないだろうが、このアトリエに毎日通う事はなくなる。
待ち遠しいはずの日はいつまでも来ないでほしい日でもあった。
「やっぱり・・終わりの日がこない方がいい・・だって・・あなたに会えなくなる・・」
ソファから起き上がった美紗緒は、ガウンを羽織らせてくれた涼輔の手を握ったまま
声を詰まらせた。
涼輔は答えられずに黙ってただただ美紗緒を抱きしめた。