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最後の一色
第21章 最終章:運命の導き
年が明け、早くも2ヶ月目が半分過ぎた。
そろそろ涼輔が戻ってくる頃だろうか、と時々思い出したりするが、
やはり時間の厚みが高ぶった感情をしだいに落ち着かせていた。
そんなある日、康文が仕事に出かけた後、
いつものようにゆっくりと新聞を読み始めた時の事だった。
文化面まで読み進めると、大きな文字に目を奪われた。
「第23回・日本絵画展 受賞作品」
美紗緒はアッと声をあげた。
確か涼輔が出展すると言っていたのは、日本絵画展。
これだ、と美紗緒はテーブルの上に両開きにして上から順に目で追った。
いちばん大きく乗っていたのは大賞受賞作品。
絵の写真とともにタイトルと画家の名が紙面を陣取る。
その下に優秀作2品と画家名。
さらにその下には入選の文字と、作品タイトル、画家名だけが並んでいた。
そこに・・
見つけた。田原涼輔の名を。
・・入選作・「エロス」田原涼輔・・