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最後の一色
第3章 冷たい夫


灯りを落としてベッドに入っても、なんとなく眠りにつけず
月明かりに照らされるカーテンを見つめた。

さっきの康文の仕打ち・・
心と同じくらい体が小さな悲鳴を上げていた。

あんな意地悪をしなくても・・
それもこれもみんな私がいけないんだ・・でも・・
悪い事じゃないと思ったのに・・人助けだと思ったのに・・

ギュッと目を閉じると涙が押し出された。

もう・・これ以上考えるのはやめよう・・
早く眠ろう・・

一度開いた瞼を閉じながら大きく息をはく。
すると今度は、田原涼輔の顔が浮かんだ。

穏やかな彼の瞳。
耳触りの良い声。
決して悪意など持っていないと思わせる雰囲気。

そんな彼の前でモデルの仕事をする。
それも全裸の・・

引き受けた時、不安以外には金銭のことしかなかったが、少し時間が経ち落ち着いてみると
夫以外の男の前で裸をさらす気分はどうだろうかと考える余裕が出てきた。

私は・・どんな顔で裸をさらすのだろう・・

なにも身につけない体を思い浮かべたら、女の園に波打つ刺激と
湿り気を・・感じた。




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