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最後の一色
第6章 5日目

「喫茶店で・・どうしてホステスの仕事なんか、ってお聞きになりましたわね・・」
涼輔は鮮明に思いだした。
青山に住んでいて、旦那は不動産屋。
どう見ても裕福な暮らしをしているようにしか見えないのに、
なぜ金を稼ごうなどとしているのか。
驚きの声をあげそうなのを必死に押さえたっけ・・
「お金を・・
簡単に他人に貸してしまったことに腹を立てた主人に、
すぐに働いて返せと・・叱られて・・・」
宙をさまよう美紗緒の視線。
言葉も行き場を見つけられないように浮遊していた。
「どういうことですか?」
一瞬筆を止め、涼輔は聞き返した。
美紗緒は、長くなるが、と前置きして話し始めた。

