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最後の一色
第10章 13日目


駅のホームで電車を待っている間もまだ空は明るさを保っていた。


明日からは少し紺色がかった空を見る時刻まであのアトリエにいられるのか。
そう思うと美紗緒は一人、ニヤッと口元をゆがめた。

彼は私の料理を褒めてくれるだろうか。
おかわり!と子供みたいにお茶碗を差し出すだろうか。
考えれば考えるほど、心は浮き立つ。

・・どうしてそんなにうれしいの?・・

そっと自分に問いかける。

それはね・・
きっと・・
彼のことが・・

好きになったからよ・・・




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