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最後の一色
第11章 14日目
14日目。
今日からは今までより3時間早く家を出る。
お昼ご飯はありあわせのものでお弁当を作って持っていく。
もちろん、涼輔のと2人分。
地下鉄も私鉄の混み具合もさほど変わらない。
乗っている人々が多少ビジネス色が濃いくらい。
美紗緒は大きめのトートバッグを抱えるようにして
地下鉄、私鉄を乗り継いで駅に降り立つと、すぐ隣にあるスーパーに入る。
夕食の買い物を済ませていけば、ゆっくりと支度ができる。
荷物を抱えながら初めて入るスーパーの中をさぐるように進んだ。
自宅のある青山のスーパーと違って、ギッチリ商品を積んでいる狭い店内。
その値段の安さにいちいち目を見開きながら、余分なものまで買い物かごに入れ
レジへと向かう。
会計を終え、持参した高級スーパーの名前入りエコバッグを取り出し
買った物を詰めていると、隣りの主婦に怪訝そうな目で見られた。
美紗緒は小さく肩をすくめた。