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二人の距離は350m
第10章 初夜
「目崎さん…」

「やだ、もう先生も『目崎』なんですよ?名前で呼んでください…駒生さん」

「そうだね、僕も今日から目崎…え、目崎!?」

ギョッとして新妻を見つめる伊丹に、『何か?』と言いたげな露葉の視線が返ってくる。

「ど、どういうこと?君が『伊丹露葉』になったんじゃないの?」

「どちらの姓を名乗るかの欄で妻の方にチェックしてあったでしょう?納得してサインしてくれたんじゃないんですか?」

「き、気づかなかった…」



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