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タンバリンでできたオーロラ
第9章 魔砲兵姫ニミット
「ぎゃああああっ!」
「退却っ! 退却っ!」
だが、退路などない。圧倒的魔法の火力と射程の前にランスラント兵たちは抵抗するすべのないまま虐殺されるしかなかった。
殺戮を恣にする奇襲部隊の後方からひときわ体躯の逞しい魔物が姿を現した。人間たちへ宣戦布告し、この侵略戦争を率いる領袖ザナルだった。
「ククク……他愛もない。ランスラントも時間の問題だな」
眼下に広がる上々の戦果に満足の笑みを浮かべる。その腰にそそり立つ巨大な男根に、侍っていた人間の姫奴隷がまとわりつき、舌を這わせて猛りを鎮めようと愛撫する。
「ランスラントの姫の名はなんといったか?」
「ギギッ……ニミット・エルフィーン王女でございます。この辺りの国の中では並ぶもののないとの誉れ高き美女だとか」
控えていた副官がすかさず答える。
「フン……それは楽しみなことだな」
ザナルの笑みがいっそう凄惨なものとなる。
「うぶぅっ……」
ザナルの怒張がより猛り、それを口に含んでいた美姫の喉奥から苦しげな呻きが漏れた。