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タンバリンでできたオーロラ
第9章 魔砲兵姫ニミット
■禁断の決断
「全滅だと!」
王の間にもたらされた悲報に、衝撃が走り、やがてそれは絶望となった。
ザナル軍迎撃のために向かわせた主力部隊がケディル峡谷において奇襲にあい、将軍もろとも殲滅されたのだ。ランスラントの首都まで行軍距離にして一日。
失われた人命を悼む想いにも増して、すぐそこに迫った破滅の未来が国王をはじめ居並ぶ臣下の者達に重くのしかかる。
「彼奴らの魔砲兵姫に対し全く歯が立たぬのでは如何ともしようがない!」
大臣の一人が喚く。
「何を弱気な! それでは降伏でもせよと言うのか! あのような魔物どもにひれ伏せと?」
「我らが祖先から受け継ぐこの地を穢れた者どもに明け渡すなど……」
「しかしこのままでは皆殺しにされるのだぞ!」
たちまち王座の前は紛糾の渦に包まれた。
「全滅だと!」
王の間にもたらされた悲報に、衝撃が走り、やがてそれは絶望となった。
ザナル軍迎撃のために向かわせた主力部隊がケディル峡谷において奇襲にあい、将軍もろとも殲滅されたのだ。ランスラントの首都まで行軍距離にして一日。
失われた人命を悼む想いにも増して、すぐそこに迫った破滅の未来が国王をはじめ居並ぶ臣下の者達に重くのしかかる。
「彼奴らの魔砲兵姫に対し全く歯が立たぬのでは如何ともしようがない!」
大臣の一人が喚く。
「何を弱気な! それでは降伏でもせよと言うのか! あのような魔物どもにひれ伏せと?」
「我らが祖先から受け継ぐこの地を穢れた者どもに明け渡すなど……」
「しかしこのままでは皆殺しにされるのだぞ!」
たちまち王座の前は紛糾の渦に包まれた。