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タンバリンでできたオーロラ
第9章 魔砲兵姫ニミット
「王よ、このマヌガンめには策がございます」
「……申してみよ」
「ザナルの軍を強たらしめているのは、言うまでもなくあの魔砲兵姫でございます」
マヌガンはそこで言葉を切った。
「……なれば、我らもまた同じく魔砲兵姫をもってこれに対抗するほかありませぬ」
「何をふざけたことを!」
横から大臣の罵声が飛ぶ。
「あのような非人道的な手段を我らに真似よと言うのか、貴様は!」
「人を物とするのは魔の所業ぞ!」
「誇り高き我らに魔道に堕ちよと言うのか! この畜生にも劣る汚らわしき妖術使いめが!」
罵倒をどこ吹く風と聞き流しすとマヌガンは続けた。
「キヒッ……そうやって口だけで戦ができるものなら、皆さまは一騎当千の勇士の働きが出来ましょうなあ」