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タンバリンでできたオーロラ
第10章 芋づるデカ
「現場に決まってんだろうがよ!」
ピアノの肩をどやしつける。
「ははっ、いっけね!」
お前なあ、減俸もんだぞ。
減俸なんてな、なっても二階級特進とかねーんだからな。
俺の若い頃だったら、間違えて喜んでるところだ。
俺もけっこうそそっかしい奴だったからな。
だから、俺は若い奴の面倒見がいい。
そこを買われてデカ長からも新人の教育をまかされてる。
今年のルーキーはコイツだ。ピアノだ。
ピアノの面倒をみてくれときたもんだ。
俺はヤマハじゃねえんだぞ、と言いたくなったが名前の事でとやかく言うのは性じゃねえ。
「まあいい、行くぞ、如月」
「どこへですか?」
やれやれだぜ。