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タンバリンでできたオーロラ
第10章 芋づるデカ

 ガイシャはランボルギーニのガルウィングの奴だ。
 ガルウィングってのはドアが上に向かって跳ね開くタイプだ。

 どうせ乗るならああいう派手なのがいい。

 そういうわけで俺はいつも車に乗るときはウィィンと言いながら両腕を広げて上にあげることにしている。

 気分だけでもな。
 そう思ってのことだ。

「ベストキッドすか?」

 如月が尋ねる。

「ああそうだ」

 何度説明しても忘れやがるから、俺はもうそういうことにしている。

「空手の大会とか出るっすか?」
「ああそうだ」

 出るわけねえだろ。
 だが、気にすることはない。どうせまたすぐ忘れている。

 俺は腕を降ろすと助手席に乗り込んだ。

「早く乗れや、お前が運転すんだよ」ピアノに促す。
「えっ?」
「これから現場だよ、モタモタすんなって」
「マジっすか!?」

 お前、どんだけだよ。
 ホント最近の若い奴らは……。
 いや、そんなレベルじゃねえよな。
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