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タンバリンでできたオーロラ
第14章 触手伯爵と美貌の四銃士2
「ああ、おかげで私たちも帰って祖国の復興に貢献することができる」
言葉を引き継いだのはその横に立つカテリナだ。
リーダーとしてこの危険な遠征行を率いてきた。隊長としての責任感は強く、任務を果たし無事脱出もできたというのに安堵の表情を浮かべることなく想いは早くも将来の再興任務にあるようだ。腰まで真っ直ぐ伸びたその滑らかな黒髪のごとく、曇りのない実直な性格のカテリナらしい言だった。
「うひゃ~、真面目だねえ! あたしゃあとしばらくは骨休みしてーな」
「貴女は本音すぎるのよ、でもそうね、私も領内の保養地でのんびり過ごすつもりですわよ」
間髪入れずに茶々を入れたカーラをすかさず諌めつつも同感の意を表すノエル。ふたりのやりとりにカテリナもやっと笑顔を見せる。
「それもそうだな。よし、帰ろう。この喜ばしい報せを皆に伝えなくてはな」
「だーかーらー、それの発想がもうどーしょうもなく真面目すぎ」
カーラの突っ込みについに一同笑いを堪え切れなくなった。