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タンバリンでできたオーロラ
第14章 触手伯爵と美貌の四銃士2

「ようやく実感できましたよ、私たちやり遂げたんだなって」

 今まで黙ってやりとりを聞いていたナルシャがようやく口を開いた。

 カーラに次ぐ身長のナルシャは、カーラと同じく剣技に優れた戦士で細身だがよく鍛えられたしなやかな褐色の肉体の持ち主だ。膂力に優れ、力任せに戦うカーラとはまた違ったタイプの戦士で状況をよく観察し立ち回る技巧派だ。そんな戦い方と同様に普段も控え目で一歩下がった立ち位置にいることが多い。

 だが、そんな彼女に対するカテリナの信任は厚い。

 魔王上へのこの危険な潜入行を成功させたのは常に冷静なナルシャの補佐があってこそだったと思っている。

「馬たちが戻ってきました」

 ナルシャが指し示す方角から四頭の乗馬がゆっくりと駆け寄って来るところだった。

 主人との再会を果たした馬たちのその鼻を叩いて労をねぎらってやり四騎士は馬上の人となる。どこまでも続く黄金の高原にその美しいシルエットは長く伸び、一枚の絵のようだった。


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