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タンバリンでできたオーロラ
第14章 触手伯爵と美貌の四銃士2
「いやああああっ」
叫んだナルチャの口の中から更にもう一本の触手が飛び出した。
舌だ。
ナルシャの下もまた変化していた。
そしてそれがナルシャが最後に見た光景だった。
軟体化したナルシャの肉体は触手をうねらせながら徐々に縮み、やがてひと固まりの肉塊となった。端正な顔立ちも、美貌のスタイルも、なにも面影は残らなかった。
そこにいるのはただの醜怪な一匹の化物だった。
触手の鳴き声。
「平和な世には騎士などもう不要なのです。私にも必要ない。ですから貴女方には私の玩具という新しい役割を与えてあげたのですよ」
魔道士はそう独り言をつぶやくと、四匹の触手たちを巣箱の中にしまった。