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タンバリンでできたオーロラ
第15章 触手伯爵と美貌の四銃士

「ああっふぅぅあーっ! イッいいーッ!」
果たして女のぬめる唇の奥から洩れたのは喜悦の嬌声であった。
動かぬ証拠を耳にした客たちの心中どよめきが舞台上に伝わる。
「はぁーはっは! いかがですかな! この私嘘はつきませぬぞ!」
ここぞとばかりに男は再び鞭をふるう。
ブァシイイイイィィーン!
ブァシイイイイィィーン!
「いっいいっ! ああんっあんっ」
「気持ちいいのっ! ああっ! だめええええっぎもぢいいっんっ!」
打たれるほどにますます切なそうになる女の表情。男は知っていた。この女が元々痛めつけられて快楽を得るような変質的嗜好を持つ者ではないということを。そして女が快感を感じる本当の理由を。
(フフフ、よく効いておるわい……分泌液の成分が)
男が手にしていたのはただの鞭ではない。
鞭の姿をした生物……いや、化物というべきか、鞭と似たこの触手は打擲時にある特殊な分泌液を犠牲者の体表に撒き散らす。
撒き散らされた分泌液はそのまま皮膚から浸み込み感覚を狂わせる。痛みを、耐えられぬほどの性的快感に。

