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タンバリンでできたオーロラ
第15章 触手伯爵と美貌の四銃士

「ノエル、よくやった。パニックを食い止めたな」
背後から声がかかった。
進み出たのは銃士隊隊長カテリナだった。
カテリナ・ラ=フェール。
紫のコートに帽子、その胸の美しい隆起を覆うベストの上には輝く勲章、長く伸びた黒髪は腰まで届き、歩む腰の動きに合わせて揺れる。
ナルシャ、カーラ、ノエル、そしてカテリナの四人をして都の人々は美貌の四銃士と呼ぶ。民衆の人気を集める銃士隊の象徴であり、また実力も併せ持つ四人だった。
「すでに屋敷は銃士隊によって包囲されている、逃げても無駄だ」
カテリナの落ち着いた勧告に客たちは皆あきらめて捕まることにしたようだった。
その様子を見てカテリナはうなずき、背後の銃士たちに命じる。
「この者たちを一人残らず連行しろ。だが包囲と警戒は怠るな、隠れて逃げようとするものを見逃さぬようにな」
カテリナの命令に従い、銃士隊は一人づつこの胡散臭い催しの参加者たちを引っ立てはじめた。
「肝心のカンターロはどこにいった」
「舞台の裏手に姿を消すのを見ました」
カテリナの問いにいち早く答えたのはナルシャだ。

