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タンバリンでできたオーロラ
第15章 触手伯爵と美貌の四銃士

 カテリナがうなずく。

「よし、追うぞ」

「はいっ」

「おっしゃあ!」

「ノエルは舞台の女性を保護してくれ、戒めを解いて上着を着せてやれ」

「かしこまりましたわ」

「隊長、あそこに!」

 舞台の裏手の階段を上ると屋敷の二階の回廊に出る。そこで伯爵はあっさりと追い詰められた。

 ナルシャの指し示す廊下の突き当たりには大きな窓があり、そのカーテンを外に垂らして伯爵は敷地外へと脱出を図ろうとしているところだった。

「逃がすものか!」

 ナルシャのサーベル一閃、切り裂かれたカーテンを手に伯爵は立ち尽くす。

「ヒイイッ」

「ふざけた恰好じゃねえか、ええ!?」

 追いつきざまカーラに突き飛ばされた伯爵は腰砕けに床に座り込んだ。

 革製の変態ボンテージ姿の下半身は、淫らなショーでは舞台映えするのかもしれないが、こういう状況では哀しいぐらいに無様だ。

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