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タンバリンでできたオーロラ
第15章 触手伯爵と美貌の四銃士

「フッフヒッ」
情けない姿を晒しながらも唐突に伯爵の口から笑い声が漏れた。
「なにが可笑しいッ!」
マスケット銃を振り上げ殴りかかろうとしたカーラは、しかし不意に足元をすくわれて転倒した。
「あだっ! なっなんだ!?」
「カーラ、気をつけろ! こいつ何か手に持って……」
カテリナが注意を促す。カーラの足を払ったのは伯爵が手にした鞭だった。
「悪あがきしやがって……痛てて」
起き上がるカーラにカテリナが気を取られた一瞬、鞭だと思っていたものかヒュルヒュルと生き物のように宙に伸びあがりカテリナに襲い掛かった。
「隊長! 危ないっ!」
血相を変えて飛び出したナルシャはカテリナを突き飛ばし、そのサーベルが風のように舞わせる。次の瞬間、鞭はバラバラに切断され、空中に体液を撒き散らした。
バッシャアー!
ナルシャは切断面から大量に噴出されたその体液を返り血のように浴びたが、それ以上のことは無い。すぐさまカテリナの安否を気遣った。

